渡航ゼロでできる中国工場の実在確認
前金を送る前の6ステップ
中国輸入で最も怖いのは高い仕入れでも不良品でもなく、実在しない工場に前金を送ることです。幸い、実在確認は渡航ゼロ・ほぼ無料でかなりの精度まで可能です。弊社で実際に使っている6ステップを、確認する順番のまま公開します。所要時間は全部やって約30分です。
ステップ1:公式登記を引く(gsxt)
中国政府の企業信用信息公示システム(gsxt.gov.cn)で相手の会社名を検索します。登記の有無・資本金・行政処分歴まで公式情報で確認でき、無料です。ここに出ない「会社」とは、その時点で取引を終了する事が多いです。個人事業主(个体户)なども多い中国なので一概に言えない部分もありますが...
ステップ2:リスク情報を引く(天眼查・企查查・88查)
天眼查/企查查/88查企業調査アプリで、訴訟履歴・経営リスク・関連会社まで見えます。中国のバイヤーは取引前に必ず引きますが、日本人で使っている人はほとんどいません。数分で「揉めやすい相手か」が分かります。
ステップ3:住所を衛星写真で見る
もらった住所を高徳地図Amapで開き、衛星写真とストリートビューを確認します。「工場」のはずがオフィスビルの一室、は本当によくあるパターンです。敷地・建屋の規模が、名乗っている生産能力と釣り合うかを見ます。
ステップ4:生産ラインの動画を頼む
「生産ラインの動画を、今撮って送ってください」——この一言が最も安い工場検証です。本物の工場は数時間以内に送れます。在庫写真しか出せない相手は、間に誰かがいます。さらに強力なのは予告なしのビデオ通話(WeChat/DingTalk)で「今からラインを見せて」と頼む方法。写真を頼む場合は「今日の日付を紙に書いて一緒に写して」と添えると、使い回し画像を排除できます。
ステップ5:増値税専用発票を発行できるか聞く
正式な領収書(増値税専用發票等)は正規登記のある会社しか発行できないため、一定規模と資格の踏み絵になります。返答が曖昧な相手は、登記自体を疑って構いません。
ステップ6:米国の輸出記録で逆引きする
工場名をImportYeti(米国税関の公開輸入記録)等で検索します。対米輸出の履歴が出れば、国際基準の書類・梱包を経験した本物の工場である可能性が高まります。米国の公開制度を工場検証に転用する、日本ではほぼ知られていない方法です。詳しくは[税関データの記事]へ。
6ステップまとめ表
| # | 確認 | 使うもの | 費用 |
|---|---|---|---|
| 1 | 公式登記 | gsxt.gov.cn | 無料 |
| 2 | 訴訟・リスク | 天眼查/企查查 | 無料〜 |
| 3 | 実在の建屋 | 高徳/百度地図 | 無料 |
| 4 | 生産ライン | 動画依頼・ビデオ通話 | 無料 |
| 5 | 発票資格 | 質問1つ | 無料 |
| 6 | 輸出実績 | ImportYeti | 無料 |
よくある質問(FAQ)
Q. 営業許可証を見せてもらえば十分では?
A. 画像は加工・借用が可能です。gsxtでの自力検索と併用してください。また経営範囲に「生产」「制造」がなければ、工場ではなく貿易会社です。
Q. 全部合格なら安心して大口発注してよいですか?
A. 実在確認は入口です。品質はサンプル→小ロット→生産中検品で別途確認してください。実在する工場でも品質はロットで変わります。
Q. 自分でやる時間がない場合は?
A. OEM部門、外貿部が現地で実地訪問を含む検証を代行しています。書類上は完璧でも現場が伴わないケースは、実際に訪ねると分かります。
まとめ
前金を失ってからでは戻りません。30分・ほぼ無料の6ステップを、発注前の儀式にしてください。
※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供です。制度・料金・仕様は変更される可能性があります。法務・税務の個別判断は専門家にご確認ください。
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