実効原価とは
「検品した方が安い」を数字で証明する
実効原価とは、不良率と検品費を織り込んだ本当の仕入原価のことで、「仕入原価 ÷(1 − 不良率)+ 検品費」で計算されます。
中国輸入の利益計算の多くは不良品のコストを無視しており、この式で計算し直すと「検品はコストではなく、原価を下げる投資である」ことが分かります。
なぜ普通の原価計算では足りないのか
仕入単価100円の商品を100個買ったとします。不良率が8%なら、売れるのは92個。つまり100個分の代金で92個分しか売れず、1個あたりの本当の原価は約108.7円に跳ね上がっています。さらに不良品は返品送料・低評価レビュー・アカウント健全性の悪化という「見えないコスト」を連れてきます。ほとんどの利益計算シートには、この不良コストの行がありません。
実効原価の式
実効原価 = 仕入原価 ÷(1 − 不良率)+ 検品費(1個あたり)
具体例で比べます。
| ケース | 計算 | 実効原価 |
|---|---|---|
| 検品なし・不良率20% | 100 ÷ 0.8 | 125円 |
| 検品あり(10円/個)・不良率1% | 100 ÷ 0.99 + 10 | 約111円 |
検品費を払った方が、1個あたり約14円安い。これが「検品は保険料であり、しかも黒字の保険」という意味です。不良率が高い商品ほど、検品の投資対効果は大きくなります。
不良率はどう見積もるか
初回発注では実測値がないため、当社の現場感覚では次を初期値にしています:実物確認なしで最安店から仕入れた場合10〜20%、サンプル確認をした場合3〜5%、生産中検品まで入れた場合1%以下。発注を「サンプル→小ロット→本発注」と刻めば、小ロットで自社商品の実測不良率が手に入り、以後の計算に実数を使えます。
何%の不良率なら検品すべきか(損益分岐の考え方)
検品費をc円、不良率をd、仕入原価をpとすると、検品で不良率がd'まで下がる場合、「p÷(1−d) − p÷(1−d')」がc円を上回れば検品が得です。目安として、仕入原価100円・検品費5円なら、不良率が約6%を超える見込みの商品は検品した方が安い計算になります。可動部・電子部品・縫製品など構造的に不良が出やすい商品は、ほぼ確実にこのラインを超えます。
よくある質問(FAQ)
Q. 検品費の相場はいくらですか? A. 検品内容(外観のみか、機能テスト込みか、全数か抜き取りか)で変わります。当社では商品特性に応じた検品メニューを用意しております。
Q. 不良率1%以下は現実的に可能ですか? A. 可能です。特にOEMなどの場合は出荷前ではなく生産中(25〜75%完成時点)の検品で、不良をその場で修正させることが鍵となります。
Q. 少量仕入れでも検品は必要ですか? A. 少量なら被害も小さいため、テスト段階は抜き取りやサンプル確認で十分です。規模が増えるほど全数・工程検品の価値が上がります。
まとめ
見かけの仕入値の安さは、不良率で簡単に逆転します。実効原価で計算する習慣を持つだけで、「安い店で買って高くつく」失敗のほとんどは防げます。
※本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な情報提供です。制度・料金・仕様は変更される可能性があります。法務・税務の個別判断は専門家にご確認ください。
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